芸術麦酒ネーミング&ラベルコンペティション2009、みごとぶんぶん賞にかがやいた佐藤さん、加藤さんにお話をうかがいました。
芸術麦酒ネーミング&ラベルコンペティション2009ぶんぶん賞受賞作品「In Season」
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佐藤:佐藤朋子さん
加藤:加藤朋子さん
芸術:芸術麦酒製造構想
◆佐藤が名前(In Season)と企画、加藤さんが絵と構成を担当
芸術:ぶんぶん賞の受賞おめでとうございます。
佐藤・加藤:ありがとうございます。
芸術:まず、ぶんぶん賞を受賞されて周りの方の反響はなにか?
佐藤:「さとうともこ、かとうともこ」というよくある名前なのに、みんな作品を見れば分かるんですね。芸術麦酒のHPを見て、「やっちゃったね!」とかって喜んでくれています。
芸術:お二人の作品ということですが、分担は?
佐藤:私が名前(In Season)と企画、加藤さんが絵と構成を担当しました。北仲BRICKの養蜂に携わったので、それを何かの形で残したいと思っていたときにこのビールのラベルコンペがあり、応募しました。名前を考えて、締め切りぎりぎりに、加藤さんに「絵を描いてくんない?」って依頼しました。
芸術:インシーズンという名前の発想が先?
佐藤:はい。瞬間の「瞬」と季節の「旬」を組み合わせて、『Yokohama In Season』としました。開港150周年という記念の年に採れたハチミツ・小麦・水、またそこに携わった人たち、この瞬間でしかできないものだと思ったからです。
芸術:文字のロゴデザインは?
加藤:遊び感覚で崩した、やわらかいものを選びました。イメージとしてはネオン管のような感じ。2,3種類を佐藤さんにみてもらい、ビールラベルだし流れるような柔らかいのがよいのでは?と今回のものになりました。
芸術:かっちりしたデザインもありました?
佐藤:ありました。クラシックなものも。
芸術:加藤さんの絵はインスピレーション?
加藤:養蜂活動の冊子をもらってたのでそれを読んでイメージしました。子どもたちが関わり、ハチミツ以外にアート作品も生まれていることもあり、あまりグラフィカルにしたくないなと思いました。素朴な感じがいいなと。
芸術:この絵を描いたのは子どもではなく加藤さんご自身が?
加藤:はい。
芸術:この絵の技法はどのようなもので?
加藤:黒い紙にクレヨンで下地を作り、それを削るようにミツバチの絵を描いています。
芸術:審査員からは「黄色の部分がビールの泡かなあ?」といった声もありましたね。
芸術:これは何をイメージ?
加藤:ビールの泡にほのかにハチミツの香りが乗っているようなものを。
芸術:立体的に見えますねえ。
加藤:下地のクレヨンをかなり厚く重ねています。
佐藤:スキャンマジックかもね。
芸術:削ったのは何で?
加藤:普通のカッターナイフです。
芸術:何回も描かれたのですか?
加藤:最初に佐藤さんと私の事務所でお昼を食べながら「こんなのどう?」と、ラフのつもりで一つ描きました。その後、清書を何度もしたんですけどそれ以上に良く描けなくて、結局最初の絵に決めました。
佐藤:なので2人の作業時間は合わせて10~15分だと思います。
加藤:あとは全体の構成、ロゴの位置を整えながら仕上げました。
芸術:加藤さんの最初の絵を見て佐藤さんはどうでしたか?
佐藤:ばっちりだと思いました。私のネーミングも瞬間的に浮かんだものですから同様にさらっと。コンペなのであまりごにょごにょしていないほうがいいかと。
芸術:レモンっぽい黄色がすごく良いですね。(右の図形を指して)これは花とか葉っぱとか?
加藤:はい。ミツバチだけだと構図的に寂しいので、ポイントで。
芸術:黒に黄色の形が月かなと思って、ハニームーン、ハネムーンを掛け合わせているのかなあ?とも思いましたが。
佐藤:同じように夜というイメージはありました。こういう絵の光景は北仲BRICKの屋上でもあったんです。暑い日は夜中じゅう、ハチが飛んでいましたから。皆既日食の日も、カメラを太陽に向けていると、必ずハチが入ってきました。
芸術:ハチと付き合っていた佐藤さんならではですねえ。加藤さんのデザインイメージは六角形のイメージがありましたが・・・。
加藤:確かに今回のはこれまでと全然違いますね。
◆実は2005年の芸術麦酒コンペにも参加
芸術:お二人ともグラフィックを専門にやられてるのですか?
佐藤:私は建築出身ですが、媒体は決めずになんでもやっています。
加藤:私はインテリア出身ですが、イラスト・デザインなど2Dを。学生時代は作品をプレゼンテーションする時にちょっと2Dをやっていた程度です。
芸術:お二人とも学生時代は空間を扱うという共通点があるのですね。同級生ですか?
佐藤:私が上です。知り合ったのは北仲BRICK&北仲WHITEで。
芸術:加藤さんは北仲に入られていたのですか?
加藤:はい。その前は自宅兼事務所で仕事をしていました。手狭になり友人と北仲に移りました。
芸術:お二人は知り合ってどのぐらい?
佐藤:5年目ぐらいです。実は芸術麦酒のラベルコンペの2005も応募したんですよ。
芸術:へえ。そうですか。どんな作品を?
佐藤:箸にも棒にもひっかからず、恥ずかしい、ひどかったです。横浜がまるで分かっていませんでした。ランドマークに観覧車といったものを背景に描いて。
◆一次審査で選ばれた時は「でたな」と
芸術:応募作品がこどもの自由な作風と大人の作風もどちらも捨てがたいという中、両方の要素が入っている佐藤さん、加藤さんの作品はおーっと思っいました。
佐藤:審査員の票が入りびっくりしました。もしかしてと。応募したことで満足していたのでうれしかったです。
加藤:はい、すごくうれしかったです。
芸術:今回の審査会には最初からいらっしゃいましたよね。
佐藤:一次審査で選ばれた時は「でたな」と思いました。大賞受賞された方もきていただけたらおもしろかったのになあと。
芸術:大賞受賞者の方も受賞するとは全然思っていなかったみたいで、こちらからハガキを出して連絡待って、「ひえー」っていう印象だったと。21歳の一生懸命な美大生です。
◆絵のかわいい感じは養蜂に携わったからじゃないかと
芸術:加藤さんは養蜂は?
加藤:BankART Studio NYKでの“ルーフトップパラダイス”という展示で養蜂をしていた時に何回か参加させてもらいました。防護服をかぶってのハチのお世話、すごく楽しかったです。
芸術:今回の作品の応募者でも養蜂を経験している人は少ないのでは?
佐藤:この絵のかわいい感じは養蜂に携わったからじゃないかと。そうじゃないと怖いっていうイメージが先行しますよね。
芸術:佐藤さんは養蜂を北仲BRICKでされていていかがでしたか?
佐藤:大変でしたが勉強になったことが一杯あります。いつか自分でミツバチを飼いたいと思ってます。
◆点だった横浜の場所がつながってきました
芸術:お二人のご出身は?
佐藤:青森県八戸です。
加藤:北海道函館です。
芸術:いつから横浜に?
佐藤:2005年からです。大学時代は2人とも八王子の山の中にいました。私はその後都心で働らきながら作家活動をしていて、それから横浜です。
芸術:その時の横浜のイメージは?
佐藤:観光地でしたねえ。点でしかなかった場所です。元町、中華街、みなとみらい。馬車道は知らなかった場所です。
加藤:私も観光地で年に1回か2回訪れるといった感じでした。
佐藤:現在は。二人とも職場も住まいも横浜です。職住近接です。
芸術:そうするとさきほどの2005のコンペの時というのは横浜に来てまもないころになるのですか?
佐藤:そうです。なので拙(つたな)い絵で・・・。
芸術:その時の応募作品、是非、芸術麦酒のブログに載せたいですね。今の横浜のイメージは?
佐藤:分かってきたことがいっぱいあります。地図も点だったものがつながってきました。職住その他もすべて揃っているので普段横浜から出ない生活になってしまいました。
芸術:横浜は歩きました?
加藤:はい。仕事でも仕事以外でも。
芸術:どの辺が横浜の魅力でしょうか?
佐藤:私は実家の八戸と重なります。まちの形が似ているので住みやすいです。海があり山がある。
八戸
横浜
加藤:歩いていける範囲に、都会とそうじゃないところ、いろんな面がありおもしろい街です。そう、函館も今年開港150周年だったんです。1週間ほどでしたがイベントがありました。実は09年度函館市観光ポスターを作らせてもらったのです、余談ですが…。
芸術:地元ともつながりがあるのですねえ。
加藤:はい。友達が横浜に遊びに来たいと言った時に、当初頭に描いていたのは、元町やみなとみらいでした。でも、今は、野毛や横浜橋商店街などにも連れていきたいなって思います。
佐藤:歩ける範囲にオモシロいものがたくさんあるので、行動範囲は凝縮されています。
◆ビールが大好きな二人、このまま続いてほしい芸術麦酒
芸術:野毛は行きます?という質問から今度はお酒に話題を移したいのですが(笑)。お酒は?
佐藤:たしなみます。
芸術:親にそう言えと言われている?(笑)。
佐藤:でもこのハチミツビールは本当においしいですねえ。
芸術:8月8日のヒルサイドの会場でのことだったか、佐藤さんが「北仲でとれたハチミツと同じかおりがする」言ったのを覚えています。
佐藤:します。桜のかおりが残っていてまろやかな感じ。最近は若い時と違ってビールをゆっくり飲むので、それがよかったのかも。加藤:ビールは一度にどのぐらい造るのですか?
芸術:500リットル。瓶にして約1500本程度です。今仕込みが終わり2回目ができるところです。ハチミツビールは?
加藤:飲んだ時にほんのり甘くて飲みやすい。癖もなく、後に香りが残りいいなーぁと思いました。
芸術:ビールは地ビールなどを?
佐藤:好きですね。
芸術:どんなビールを。
佐藤:最近はフリーが多い(笑)。まあ、それは、置いといて、濃いブラウンとか好きですねえ。
加藤:ベルギービールや、ヒューガルテンとか大好きです。以前チラシ制作やメニューにイラストを描かせていただいた山下町のcafe FLOWER。ここもヒューガルテンの生がありおいしいです。
佐藤:1回めちゃめちゃ飲んだね。地下鉄の駅が目の前にあるのに分かんなくなった。2人でたまに飲んだり、北仲のメンバーで飲んだり。加藤さんのアトリエに私が遊びに行ってると声が通るらしくてみんなきちゃうんです。
芸術:12月19日にはラベルの付いた瓶出来上がると思います。
佐藤:年末が楽しみです。飲みたい。
芸術:お二人の作品は最後まで大賞と争いましたねえ。
佐藤:厚木ビールの望月さんがたくさん票を入れてくださって、それで十分です。
加藤:十分ですね。嬉しかったです。芸術:望月さんもデザイナーと知り合えて喜んでいましたよ。
芸術:ハチミツの種類でかおりも違います。異なるかおりのハチミツで造るビールも面白いのでは?濃いハチミツで黒っぽいビールなど。毎年ラベル変わったらなあと。
加藤:コレクションしたいですね。
芸術:アンカービールというビールがあって。クリスマスイヤーズボトルが毎年違う木の絵のラベルです。2006、2007と並べるとおもしろい。そういうのもできるといいなと考えています。
佐藤:寝かせて飲むビールもありますよね。
加藤:瓶の中で発酵させるタイプの。
佐藤:サンクトガーレンのチョコのビールをまだとってあります。驛の食卓も行くしワールドフードマーケットも瓶ビールがたくさんあり楽しんでいます。
芸術:野毛のル・タン・ペルジュもヒューガルテンがありますよ。
佐藤:野毛はまだまだ未開拓ですねえ。呑兵衛ラリーの手形をもって新しい店を発掘しています。
芸術:野毛の店も最近は女性も多いですね。
佐藤:三陽が女性だらけとか。
芸術:芸術麦酒については?
佐藤:このまま続いてほしいですね。
加藤:ラベルコンペで実際の商品になる、という機会はなかなかないので貴重です。
佐藤:神奈川、横浜は良いものがたくさんあります。いっぱいコラボできそうだと。ここのこれで、こんなものができるかな?と勝手に想像しています。
芸術:芸術麦酒でも今までに浜なしや桃、ブドウなどを用いてビールを造りました。
佐藤:去年アートサイトに参加し、栄区に行き、個性的な野菜が多くて、これいーじゃんと見ていました。横浜市内全域に行ったことはないですが、全区をまわるカリキュラムのあったバンカートスクールにまた参加してみたいです。芸術麦酒で何かお手伝いできることがあればぜひぜひ。芸術麦酒の次の構想は?
芸術:次は他のまちとかとも繋がりたいと考えています。麦踏ツアーとか横浜でもできたらと。埼玉県の小川町ではそんな麦からのビール造りのツアーなどが開催されているんです。今回の養蜂も又、興味のある方に参加してもらって自分のビールができればいいなあと。今度はべろんべろんになるまで飲みにいきましょう。お二人とも北の女だからお強いのでは?本日はどうもありがとうございました。
佐藤・加藤:ありがとうございました。
(平成21年12月9日(水)ジョナサン馬車道店にて)
(写真提供荻原さん、田中さん)
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